2012年5月7日月曜日

心に残ったゲーム(道化師殺人事件)

シンキングラビットの名作アドベンチャーゲーム(ADV)「道化師殺人事件」です。


シンキングラビットは兵庫のソフトハウスで、この他にもパズルゲーム「倉庫番」もここの作品です。

「倉庫番」を売るためにシンキングラビットという会社が作られたということです。

この会社のもう一つのウリがコマンド入力ADVでした。

今回紹介する「道化師殺人事件」は「鍵穴殺人事件」に続くコマンド入力ADVとしてPC-9801で発売されました。

シンキングラビットのADVは総じて、シナリオの秀逸さで他のメーカーを抜き出ていました。

今のADVはコマンド選択方式や画像のタッチ方式が主流ですが、初期のADVは「ドア アケル」という単語を入力するコマンド入力方式でした。

当然ながら正しいコマンドが入力されなければ「デキマセン」のようなメッセージが出るのです。

結果、ADVは言葉探しゲームと同意になり、難易度が高いADV=思いもよらぬ言葉が次のステップへのキーになるとも言えます。

事実、「そんな言葉思いつかねーよ!」というゲームが多数あったわけですが…


シンキングラビットのADVは判別できる語彙の豊富さ、シナリオ共に素晴らしいゲームです。

この「道化師殺人事件」からはローマ字入力にも対応していて、カナ入力のためにキーボードをいちいち確認しなくても済むようになっています。

画像も左右ならばスクロールしますし、前進は中央から左右に、後退は左右から中央に画像を描画することによって移動感を出しています。

残念なことにPC-8801版は写真の通り小さい画像ですが、先に発売されたPC-9801版はディスプレイの半分ほど画像が表示されます。

これはメッセージを漢字で表示するために致し方なかったのかも知れませんが、当時はとてもガッカリした記憶があります。

また、判別できる語彙がとてつもなく多いのも特徴です。

そのせいでゲームが進められなくなることすらあり、こういう見えない部分での作りこみは素晴らしいです。

コマンド選択式のADVが主流になっても敢えてコマンド入力式で勝負してきた会社ですが、「ジャック/ラスベガス連続殺人」ではコマンド選択式のADVを投入してきました。

これはソフトベンダーTAKERUでのみ発売された作品ですが、時すでにADVの時代は終わっていたように思われます。

そして、その作品がシンキングラビットとしての最後になってしまいました… ( ;∀;)

確かにコマンド入力式は言葉を探さなければならないし、入力に時間が掛かるためストーリーを楽しめないといった評価もありますが、番号総当りである程度解けてしまうコマンド選択式とは違った楽しみがあるのは事実だと思います。

じっくりとストーリーを楽しんだり、クリアした時の達成感はコマンド選択式ADVをクリアしたときより大きいと自分は思います♪